G杉内がリベンジ星「2年分の気持ち」
「セCSファイナルS・第3戦、巨人3‐1広島」(18日、東京ド)
尻上がりに調子を上げた。初回、あっという間に1点の先制を許したが、巨人・杉内は冷静だった。「また、このパターンか」。力みから本調子でなかった立ち上がり。すぐに切り替え、二回以降の6イニングをわずか1安打。7回1失点で勝利投手となり、昨年の借りを返した。
スライダーとチェンジアップはしっかりと制球され、なにより直球にキレがあった。「今日はフライアウトが多かった」と振り返るように飛球アウトは半数近い9。打者の予測よりもボールが伸び、バットの上部に当たった結果だ。
悔しさを晴らした。昨年はシーズン終盤に左肩痛を発症し、ポストシーズンは1軍に帯同しながらベンチ入りせず。ロッカールームで試合を見守り、戦力になれない自分に歯がみした。
「昨年、期待されて移籍して、大事なところで投げられなかった。今日は2年分の気持ちを込めました」
指揮官との約束が左腕を支えている。開幕戦の日、東京ドームの通路で原監督から声をかけられた。
「今年は1年間トータルで戦おう。オレの横でプレーしてくれ」
CSを制し、まだ戦い半ばだ。約束を全うするため、日本シリーズでも躍動する。