マー君で満場一致!無敗で「沢村賞」
プロ野球創設期の名投手、故沢村栄治氏を記念し、シーズンで最も活躍した先発完投型の投手に贈られる「沢村賞」の選考委員会(堀内恒夫委員長)が28日、都内で開かれ、楽天・田中将大投手(24)が満場一致で選出された。今季24勝1セーブ、防御率1・27で史上初の「無敗の最多勝投手」となった。田中の同賞受賞は11年以来、2度目。
24勝0敗。まさに無敵の強さ。もちろん、選出に異論を唱える委員はなかった。田中は「僕にとって一番、大きな賞。受賞できて、うれしいです」と素直な心境を明かした。
2年前の初受賞時とはまた違う、別格の喜びだ。前回は19勝5敗の成績を残したものの、チームは5位。今年は大黒柱として1年間ローテを守り、初優勝の立役者となった。「チームが優勝できたのが一番ですし、その中でしっかりと成績を残せたのはうれしい」と目を輝かせた。
入団した7年前と比べると田中個人も、球団も成長の跡を刻んだ。そして球団初優勝メンバーとなれた中で栄誉を手にすることができた。今季一番の思い出を問われると、9月26日の西武戦、抑えで登板し胴上げ投手になった瞬間を挙げた。「あの場にいられて感慨深いものがありました。(球団の)新しいページをつくることができよかった」と喜んだ。
前日27日の日本シリーズ第2戦では1失点完投。大きな1勝をもたらした。「まだまだ戦いは続いている。賞を頂けたことでこれに恥じない投球をしていきたい」。受賞の喜びを糧に、シリーズ次戦登板に弾みがついた。マー君がもう一つの勲章、日本一を手にして1年を締めくくる。