美馬攻めた!負傷降板も5回2/3零封
「日本シリーズ・第3戦、巨人1‐5楽天」(29日、東京ド)
激痛に顔がゆがんだ。立ち上がろうとしても、痛みがそれを拒んだ。楽天・美馬は右足を引きずって、ベンチに下がった。「もっと投げたかった」。六回2死。阿部の打球が右足甲を直撃。それまで0封する快投で、勝利を呼び込んだ。
「あした腫れるかな、と思います」。アクシデントによる降板の悔しさが行き来した。19日のCSロッテ戦で完封し、この日も0を並べた。「ポストシーズンに入って強気で思い切っていけている」と明かした。
“強気”こそ、巨人封じのキーワードだった。大きなアクションでリードした嶋は「逃げたら終わり。やるかやられるか。思い切り行こうと。それに応えてくれた美馬につきる」と絶賛。狭い東京ドームで、大胆に内角を攻めた。美馬も「ソロならOKのつもりでインコースを攻めて行けた。嶋さんのジェスチャーも心強かった」と振り返った。
星野監督は「美馬がよく投げた。敵地の頭であれだけのピッチングをしてくれたら」と絶賛した。
殊勲者は巨人打線の印象を問われて、一瞬口ごもった。「変なことを言ったらいけないので。威圧感、ありました」。強気に攻めれば抑えられる‐。小柄な右腕が実証した巨人料理法は、日本一へのヒントとなる。