原G逆転劇で弔い星 V9以来の連覇へ

 「日本シリーズ・第4戦、巨人6‐5楽天」(30日、東京ド)

 第4戦を行い、巨人が4時間7分の試合を制して楽天に逆転勝ち。対戦成績を2勝2敗のタイとした。七回に寺内崇幸内野手(30)が決勝打となる適時打を放った。偉大なる大先輩、川上哲治氏の訃報に、チームが一丸となって勝利をつかみ取った。

 巨人軍の“父”にささげる白星だった。勝利監督インタビュー。原監督は「今日の勝利というものを喜んでくれていると思います」と声を震わせた。

 衝撃を受けた。試合前に川上氏の死去という悲しい知らせを受けた。「プロ野球、巨人軍にとってもさんぜんと輝く大先輩でした」。現役時代、監督になっても手紙や電話で激励された。「巨人軍の父」と言う恩師に恥ずかしい姿を見せるわけにはいかなかった。

 前夜まで貧打にあえいだ。打線をシャッフルした。下位の坂本を3番に上げ、3番だった阿部を4番、4番だった村田を5番に入れた。大胆に動き、流れを変えるために必死だった。序盤は劣勢だった。だが途中出場の松本哲、亀井が必死につないだ。伏兵の寺内が決勝打だ。

 打順の大幅な変更について「シーズン中もありますし、スターティングメンバーが変わっただけ。全員野球をするというスタイルを変えずにやりました」。巨人の伝統でもある全員野球で難局を乗り切った。

 巨人に脈々と受け継がれてきたのが「打撃の神様」と呼ばれた川上氏の教えだ。原監督の現役時代。調子が悪い時、同氏に打撃指導を受けた。「今、私が指導する上においても、練習方法というものは生かしています」。巨人の強さを支える礎。伝授してくれた恩師への感謝の気持ちは忘れない。

 大目標は、川上氏が監督として成し遂げたV9時代以来、球団40年ぶりの日本一連覇だ。「V10」を掲げる白石オーナーは「悲しみを乗り越え、必ずや巨人40年ぶりの連続日本一を川上さんに報告いたします」とコメントした。原巨人は、偉大な先輩に必ず朗報を届ける。

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