原監督「3番・由伸」ズバリ!逆王手

 「日本シリーズ・第6戦、楽天2-4巨人」(2日、K宮城)

 巨人が逆転劇で対戦成績を3勝3敗の五分に戻し、逆王手をかけた。エース田中を擁した楽天を相手に、3番に入った高橋由伸外野手(38)が五回に勝ち越しの中前適時打を放つなど、原辰徳監督(55)の采配が決まった。チームは川上哲治監督の下で9連覇を果たして以来、40年ぶりとなる日本シリーズ2連覇を目指す。

 マー君を撃破した。まさに“倍返し”だ。今季、レギュラーシーズン、ポストシーズンを通じて無敗だった田中に黒星をつけた。試合後。ベンチ裏に「ヨッシャー」と威勢のいい絶叫がこだました。

 「結果として彼から勝利をもぎ取ったことは非常に大きい」。原監督は冷静な口調でそう振り返ったが、ほおは少しだけ緩んでいた。

 采配がズバリとはまった。ベテランの高橋由を3試合ぶりにスタメンに復帰させた。しかも、レギュラーシーズン9月25日・ヤクルト戦以来の3番だ。

 “新オーダー”が難攻不落の相手から4点を奪った。五回に2‐2と同点に追いついてなおも2死一、三塁。高橋由が田中の直球を捉え、中前にはじき返す勝ち越し打だ。ベテランは「難しい相手なので開き直った。必死でした。みんなで崩した」と振り返った。

 いろんな意味で高橋由は“切り札”だった。「困った時にはベテラン。高橋由伸の経験値に頼りました」と原監督。負ければ終わり。崖っぷちに追い込まれていた。打線は、試合前の練習中に決めた。試合開始直前に百戦錬磨の生え抜きを3番に入れることを決断した。

 今年、原監督が度々、つぶやくように周囲に口にしていたのが「生え抜きだよ」の一言だった。チームは移籍組も含めて全員で戦っている。だが王、長嶋、現役時代の原監督もそうであったように苦境の時は生え抜きに託す。脈々と受け継がれてきた巨人軍の伝統にのっとって白星をつかみ取った。

 ポストシーズン初の2桁12安打と、貧打にあえいでいた打線が本来の姿を取り戻しつつある。さあ逆王手だ。「世紀の一戦。死力を尽くし、全力で戦いたい」と原監督。球団40年ぶりの日本シリーズ連覇ももぎ取る覚悟だ。

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