沖縄尚学が0‐8から大逆転初V
「明治神宮大会高校の部・決勝、沖縄尚学9-8日本文理」(20日、神宮)
沖縄尚学(九州)が日本文理(北信越)を逆転で下し初優勝した。0‐8の七回に山城大智投手(2年)が3ラン。八回には久保柊人内野手(2年)の逆転打など6点を奪った。九州地区の優勝は2004年の柳ケ浦以来で、沖縄県勢初。大学の部は亜大(東都)が明大(東京六大学)を下し、7年ぶり4度目の優勝を果たした。
沖縄尚学が大会決勝では最大となる8点差をひっくり返した。
逆転劇の立役者となった山城大は初回、先頭の星に初球本塁打されるなど、4回を投げ3被弾3失点。五回から右翼の守備に就いた。しかし2番手の久保も2被弾5失点と打ち込まれ、七回から山城大が再登板。140キロ台の直球で3回を1安打無失点に抑えた。
そして七回の攻撃前、ベンチに比嘉公也監督(32)の声が響いた。「日本文理も09年夏の甲子園決勝で、九回2死から(5得点し)1点差まで追い上げた。1点をあきらめず行こう」。直後の1死二、三塁で山城大が反撃3ランを放った。
高校での被弾も、自ら本塁打を放つのも初めてというエース。「このまま終われない。九州代表としてこんな恥はない」と奮起の一発。再登板では「制球やキレより気持ちが大事」と右足を大きく上げるフォームで迫力ある球を投げた。
八回には一挙6得点の猛攻で逆転。比嘉監督は「奇跡としか言いようがない。粘り勝てたことを来年に生かす」と話した。