楽天Vパレード 来季も日本一晴れ仙言
球団創設9年目で初の日本一になった楽天の優勝パレードが24日、仙台市内で行われた。星野仙一監督(66)、田中将大投手(25)らチーム関係者320人が、沿道に駆けつけた約21万4000人のファンにリーグ優勝、日本一への後押しを感謝した。星野監督は2年連続のパレード開催を目指し、連覇に意欲を見せた。
悲願の頂点へのご褒美のような青空が広がった。開催直前のテープカットであいさつした星野監督は「まさしく日本晴れ。“日本一”晴れ」と表現した。
阪神指揮官だった2003年、リーグ優勝の御堂筋パレードは雨だっただけに対照的だ。「1年間戦ってきたかいがあった。精いっぱい今日はお礼の笑顔、お礼の手を振りまくります。選手の顔を、頭にたたき込んでやってください!」。大歓声に包まれながら、パレードが始まった。
仙台商工会議所を出発点に、メーンストリートである東二番町通りを1・5キロ、約40分間にわたって進んだ。星野監督は立花球団社長とともに先頭のオープンカーに乗り、その後ろを1、2軍選手、首脳陣、関係者らを乗せた5台のオープンバスが続いた。
時速5キロでゆっくり進んだバス。だが幸せな時間はあっという間だったかもしれない。Kスタ宮城室内練習場に移動して行われた会見で指揮官は「こんなパレードをしていただき、選手の野球人生の1ページを鮮やかに飾ることができて感謝しています」と、終始笑顔で語った。
就任から結果が出なかった2年間。「仙台のファンは優しすぎる」。「負けてもいいんだろ」。ファンに対して、厳しい言葉もぶつけてきた。だが頂点を勝ち取り、ファンから聞こえてきた言葉は「ありがとう」だった。「ありがとうは、参るなあ。こみ上げる人間になってしまったな」としみじみ。眼前に広がった光景に、充実感を得た。
それでも、日本一になったときに「すずめの涙」と表現したように、被災地へ届ける勇気は足りていないと実感している。「もう一度こういう経験をさせてもらいたいと思います。9割くらい、来年のこと考えている」。もちろん、目指すのは連覇。この日感じた思いを忘れず、来季へ向けて歩きだす。