２年連続のリーグ優勝に貢献した巨人・村田修一内野手（３２）が、デイリースポーツのインタビューに応じた。ＦＡ移籍２年目が終わり、来季からは生え抜き選手以外で球団初となる選手会長に就任する。打撃改造に成功し、今季４番を務めた男が心境を語った。

　‐今季を振り返って。

　「去年は自分を押し殺してでもチームが勝てばいいという気持ちでいました。ただ思うような打撃ができず、今年は自分のポジションをつくるという思いが強かったです。結果的に昨年より数字を残せたので、何か１つつかんだ年になると思います」

　‐ペナント終盤の打撃不振をポストシーズンで修正した。

　「対戦する投手のビデオ、それも自分以外の右打者が投手を攻略している映像を繰り返し見た。タイミングの取り方、バットの角度…。微調整して、うまくいった。来年も（ソフトバンク・内川を参考にした）この打ち方で始まると思いますし、１年間ずっと調子がいいことはない。悪くなったときに今年の終盤に取り組んだことを思い出して、対処できるかなというのはあります。苦しんだことで逆に引き出しが増えたかな、と」

　‐日本シリーズでは第７戦まで戦い、日本一を逃した。阿部の不調を隣で見ていた。

　「ロッカーが隣なので練習終わりに、ちょっとしゃべったりしましたけど、調子が悪いというのはずっと言ってました。『どうやって打つのか忘れちゃったな』とかそんな感じで。調子が悪いときに笑顔で『調子が悪い』と言えるのが阿部さんのすごさだと思う。悩んでいるけれど『ダメだ、調子悪いや』と笑顔で言える。僕らから見て、阿部さんはずっと打っていたので、日本シリーズでは『阿部さんも人間なんだな、打てないときもあるんだな』って。それが少しうれしくもあったんですが」

　‐続けて。

　「このチームに来て２年目ですけど、誰が見ても阿部さんが支えていたチーム。阿部さんに支えられて連覇した。阿部さんに支えてもらった分、打てないときはみんなが支えないといけない。また、そういうふうに見えることがチームとしての強さだと思う。阿部さんが打てないときは、支えてもらった恩返しをしたい」

　‐自身としては、家族にいい姿を見せられた１年だったのでは。

　「子供たちが東京ドームで試合がある土、日は必ず見にきてくれました。男の子２人なので野球が好きですし、とても応援してくれる。ヒーローインタビューに出たときは、テレビの前でガッツポーズしている写真を嫁がメールしてくれました」

　‐来季は移籍選手として初めての選手会長になる。

　「５月に三振と失策が重なって１イニングで代えられたとき（２６日のオリックス戦）もそうでしたけど、原監督は自分に厳しくしてくれます。それだけ期待を持って、僕のことをＦＡで取ってくれたというのは重々承知の上でこの球団に来ていますし、あのときも『（村田はもう）ファミリーなんだから』と言ってくれた。生え抜きの選手と変わらず扱ってくれることに感謝していますし、その期待に応えたい」

　‐どのように選手会長を伝えられた。

　「秋季練習初日の練習前に、監督から『オレは、生え抜きじゃないが修に託そうと思う』と。原沢代表も『渡辺主筆も大丈夫だと言っている』と言うし、みんなの前で（監督に）『どうだ？』と言われて断れないですよね（笑）。長野が次にやるらしいので、とりあえず２年間ということになりました。長野に『２年間やるから、お前絶対にやれよ』と言ったら、『はい』と言ってましたけど、口約束じゃ分からないので、弁護士を通してやります（笑）」

　‐最後にこのオフの取り組みは。

　「打ち方は、今年がハマったので、それを忘れないようにアプローチしていく。内角がネックになっていたので、そこのさばき方が１番の課題ですね」