来季は「吉村屋の歌舞伎投げ」復活だ
来季移籍2年目となるソフトバンクの吉村裕基外野手(29)が14日、独特のフォロースルー「歌舞伎投げ」でのアーチ量産を誓った。完璧な当たりを放った際にバットを高々と放り投げる姿は、横浜時代に石井琢朗・現広島内野守備走塁コーチが命名した和製スラッガーのおはこだ。今季わずか5本塁打にとどまったアーチストが輝きを取り戻し、松田からホットコーナーの座を奪い取る。
豪快なスイングの反動でバットを高々と放り投げる吉村のフォロースルー。「ベイスターズ時代はファンが認識して、楽しみにしてくれていた。福岡でもたくさん出せるようにしたい」。こだわりの姿を地元ファンの目に焼き付けるためにも、アーチ量産を約束した。
東福岡高から入団4年目の2006年に26本塁打を放って大ブレーク。08年には自己最多の34本をマークするなど、若き大砲として鳴らした。その代名詞が、独特のフォロースルーだった。「打った瞬間スタンドイン」と分かる当たりに、ドヤ顔でバットを放り投げる姿。先輩の石井・現広島コーチからは「歌舞伎投げ」と命名され、ファンにも親しまれた。
「うまく球を捉えられると、無意識で出ていた」。4年連続の2桁アーチから一転、10年からは3、5、2本と低迷。心機一転、ホークスにトレード移籍した13年も5本に終わった。当然ながら、アーチの減少とともに「歌舞伎投げ」の回数も激減している。来季は「吉村屋の歌舞伎投げ」で、万雷の拍手喝采を浴びる。