マー君メジャー挑戦表明 新制度が発効
日本野球機構(NPB)と米大リーグ機構(MLB)との間で17日、従来のポスティングシステムに代わる新移籍制度が発効した。新制度の譲渡金は2千万ドル(約20億6千万円)まで。楽天の田中将大投手(25)は仙台市内の球団事務所で立花陽三球団社長(42)と面談し、新制度を利用しての大リーグ移籍の希望を伝え、球団側は結論を持ち越した。
新移籍制度の発効を受けてから、初の球団との話し合い。これまで沈黙を貫いてきた田中がメジャー挑戦の意向を表明した。
テレビカメラ10台が並ぶ会見場に紺のスーツ姿で現れた。「入団して7年間楽天にお世話になった感謝の思いを伝えてから、新たなステージで挑戦させていただきたいと話をしました」と打ち明けた。
昨オフの契約交渉の席で初めてメジャーへの思いを伝え、今季中も球団から慰留を受けてきた。この日、改めて立花社長から「連覇のために絶対必要な戦力」と残留要請を受けた。それでも田中は1年でも早く海を渡りたい意思をはっきりと伝えた。「(慰留は)いつも言っていただいている。それを踏まえた上で僕の気持ちは伝えさせていただいた」
入団7年目の今季は一つの節目となり、挑戦のタイミングは今とみている。目標の日本一の栄冠を手にし、シーズン24勝無敗という神懸かった成績を残した。心技体とも最高潮の時期にメジャーに挑戦したい気持ちが強い。今がベストかを問われ「そうかなとは思います」と言い切った。
球団はこの日は結論を出さなかった。時期は未定ながら、再度、田中との話し合いの場を持つという。立花社長は「彼もよく考えてのことなので真摯(しんし)に受け止める必要がある」とした。
今後は球団取締役会にかけることを検討。三木谷オーナーにも相談して結論を出す。新制度を利用してのメジャー移籍か、それとも残留となるのか。今週中には結論を出すとみられる。