マー君いきなり黒田超えの超大型契約も
楽天から新移籍制度を使って大リーグへの移籍を目指す田中将大投手(25)との交渉が26日(日本時間27日)、解禁された。関係者によると、複数球団が既に田中の代理人に決まったケーシー・クロース氏(50)と連絡を取っているという。年俸総額1億ドル(約104億円)以上の大型契約は必至と見られており、いきなり日本人投手最高記録を塗り替える可能性が出てきた。
ついに幕を開けたマー君争奪戦。ニューヨークの地元紙が、ヤンキースと田中の代理人に決定したクロース氏が既に接触したと報じる中、あるメジャーの代理人は、新制度による上限2千万ドル(約20億9千万円)の譲渡金、今オフFA市場での先発投手の不足などを挙げながら「総額1億ドルの契約はありえない話ではない」と断言した。
さらに「タナカ側は強気に出るだろう。最終的に6年1億ドル(約104億5千万円)あたりに落ち着くかもしれないが、手始めに7年1億2千万ドル(約125億4千万円)や8年1億5千万ドル(約156億7千万円)を要求しても不思議ではない」と予測した。
一般的にメジャースカウトの田中の評価は「ダルビッシュより下」。しかし同代理人は「契約内容も下と考えるのは間違い」と話す。最大の理由は制度の違いだ。ダルビッシュの場合はレンジャーズが独占交渉権獲得に5170万ドル(約54億円)を費やしたため、契約は6年5600万ドル(約58億5千万円)に抑え込まれた。ダルビッシュ側は内容の低さを条件次第で最終年を破棄できる条項でカバーしたが、“バブル状態”の今オフでは「契約年数を短縮する必要はない」と指摘する。
米国内では田中の投げすぎを危惧する声もある。同代理人は「身体検査は基本合意後が慣例だが、早い段階で米国内の権威のある医師からお墨付きが出れば、交渉はさらに有利になる」と解説する。
条件の基準を「ヤンキースのクロダ」とした同代理人。黒田は今オフ、日本人投手最高年俸となる1600万ドル(約16億7千万円)で合意した。田中が1年平均で黒田を超える可能性が出てきた。