落合GM協約OK 突然の熱血指導100分

 中日・落合博満GMが7日、ナゴヤ球場を視察すると、自主トレしていた松井佑介外野手(26)を電撃指導した。

 すべてが突然の出来事だった。ナゴヤ球場の視察も突然なら、熱血指導も突然。昨年10月のGM就任後、契約更改の席以外では初となる選手への指導の合計タイムは何と約100分。落合GMがたまたま居合わせた松井佑を電撃指導した。

 「施設を見にきただけだから、そのまま練習していていいよ」

 年始のあいさつをした松井佑にこう伝えた。確かに、この日の主目的は電球の約3分の1が切れている屋内練習場の視察だった。そんなやりとりの直後、突然の“落合道場”が始まったのだ。

 松井佑は今年初めてのナゴヤ球場での自主トレで、屋内の一角でティー打撃をしていた。その姿を見ているうちに、指導者の血が騒いだのだろう。いきなり隣に立って声をかけると、今度はベンチコートを脱ぎ捨てて自らが実践したのだ。

 “神主打法”と同じ手首の使い方に始まり、下半身の使い方…。「両足の親指で地面をつかんで打て」や「速い球を打つには力じゃない。力を抜いて速さで勝負しろ」、「大根斬りと言われていいから上からたたけ」などと声をかけた。

 最初が30分。「また見に来るからな」と言い残し、言った通り戻ってくると40分。さらに自身の用事を済ませるとまた30分。終わってみれば監督時代でもなかったようなロング指導となった。

 野球協約の第173条「ポスト・シーズン」には「球団または選手は」12月、1月と試合や指導ができないことを定めている。一般的に監督やコーチの指導が問題となっているが、条文通りなら今回の行為はグレーゾーン。だが、落合GMはキッパリと否定した。

 「オレはユニホームを着ていない。それは監督やコーチのこと。協約は全部確認している」。この「ユニホームを着ていない」とは、ユニホーム組ではなく背広組に籍があることを意味する。

 球団内でも再確認したところ、今回は選手を拘束していないこと、指導したのがユニホーム組ではないことから問題ないと判断。西山球団代表も「わざわざ集めたわけじゃなく、選手が自由意思で聞いている。法の精神を考えれば協約に違反する話じゃないと思っている」と説明した。

 「すごく有意義な時間を過ごせました。監督のときは教えてほしいと思っても、なかなか教えてもらえない存在でしたからね。自分でやっていて変わったと思えた。教えてもらったことを早くものにしたいですね」

 こう振り返った松井佑は、午前11時50分から午後2時40分まで打ち続けていた。最後の最後に落合GMから「きれいに打ったな」と言われた松井佑は「本当にうれしかった」。この電撃オレ流指導、球界に波紋を広げる可能性はあるが、大砲候補の若武者にとっては最高の一日となった。

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