NPB、落合GMの指導は問題視せず
中日・落合博満GM(60)が自主トレ中の選手を指導し、野球協約に抵触する可能性が浮上したことを受け、日本野球機構(NPB)の井原敦事務局長は8日、問題視しない考えを明らかにした。中日・西山和夫球団代表が、電話でNPB側に事情説明。練習が強制的ではなかったことで、“不問”になるとの見方を示した。
中日側の説明では、落合GMが7日にナゴヤ球場に出向いた目的は「電球が切れた室内練習場の視察」だったという。そこで偶然、松井佑介外野手が自主練習しており、急きょ打撃指導に発展。結果的に、100分にも及ぶ熱血指導になったという。
野球協約173条では「球団または選手」は12月、1月は試合や指導ができないことを定めている。落合GMの熱血指導から一夜明け、西山代表は「(NPBと選手会事務局の)両方に連絡しました」と説明。電話で事情を聴いた井原事務局長は「問題はなさそう」とした。
173条が、曖昧な部分を残していることは確か。ユニホームを着ていない球団の“背広組”の指導はOKなのか。どこから“強制”となるのか。解釈によっていろいろな捉え方ができるが、井原事務局長は「呼び出したわけではないし、(練習を)命令したということもないので」と、強制練習ではないとの見方を示した。
ただ、デリケートな問題だけに、井原事務局長は「もう少し話を聞きたい」と付け加え、20日の実行委員会で詳細を聞く方針。西山代表は「恒常的にやるつもりはなく、たまたま会って偶発的に起こったと伝えました。悪いことをしたとは思っていないが、(今後は)誤解を招くことはしない」と説明した。
◆中日・落合博満GMの指導 7日にナゴヤ球場で、松井佑介外野手に100分間に及ぶ指導を行った。ティー打撃の手本を示し、下半身の使い方などを自ら実践。指導後、野球協約173条に関連する報道陣の問い掛けに「オレはユニホームを着ていない。それは監督やコーチのこと。協約は全部確認している」と説明した。