殿堂入り佐々木氏、球界復帰に前向き
野球殿堂博物館の表彰委員会は17日、競技者表彰のプレーヤー表彰に近鉄やドジャースなどで日米通算201勝を挙げた野茂英雄氏(45)、横浜(現DeNA)とマリナーズで日米通算381セーブの佐々木主浩氏(45)、西武とダイエー(現ソフトバンク)で通算2157安打、437本塁打を記録したソフトバンクの秋山幸二監督(51)を選出した。佐々木氏と秋山監督は東京ドーム内の同博物館で会見した。特別表彰では、相田暢一氏(故人)を選んだ。
“大魔神”と呼ばれた佐々木氏は、感激の面持ちだった。45歳10カ月での殿堂入りは野茂氏、川上哲治氏に次いで、史上3番目の若さ。無数のフラッシュを浴び「まさか、こんなに早いとは思わなかった。光栄です」と笑みを浮かべた。
日米球界で守護神として活躍。150キロを超える速球と、鋭く落ちるフォークボールを武器に、通算381セーブを挙げた。横浜(DeNA)では98年に、38年ぶりのリーグVと日本一に貢献し、マリナーズでは新人王にも輝いた。
一時はカーブなど、ほかの変化球の習得に取り組んだこともあったが「打たれたらショックが大きいから」と、武器を徹底的に磨き上げた。フォークはストライクを稼ぐカウント球や、右や左に微妙に変化させながら落とし、狙われても打たせなかった。
豪快な性格、勝負度胸も満点で、クローザー向きだった。現役時代を振り返り「打たれた時はつらかったが、いかに立て直すか。僕はお酒ばかりでした」と笑い飛ばした。
05年に現役引退後は解説者として活躍している。もちろん、現場復帰を望むファンも多い。佐々木氏は「機会があればユニホームは着てみたい。野球界に尽くしたい」と、恩返しを誓った。