マー君がドラ2捕手に置き土産指導
新ポスティングシステムで米大リーグに挑戦する楽天の田中将大投手(25)が20日、コボスタ宮城の室内練習場でブルペン入り。ドラフト2位の内田靖人捕手(18)=常総学院=を相手にチェンジアップ以外の全球種を投げ、次代を担う逸材に置き土産を残した。
ウオーミングアップを終えた田中は高卒ルーキーを伴ってブルペンに入った。「自分から内田に声をかけたのか?」と聞かれても、「誘ってないですよ」と多くを語らなかった。
しかし、ボールは口よりも雄弁だった。直球、スライダー、カットボール、フォーク、カーブ。わずか39球の立ち投げにもかかわらず、惜しげもなく持ち球を披露。これがプロのボールだ‐。一球一球にそんなメッセージが込められていた。
思いがけず、日本最高の投手のボールを受けることになった内田も「オーラがありました。軽く投げているのに、力がある。今までで一番緊張しました。本当に良い経験になりました」と興奮を抑えきれなかった。
メジャー球団との交渉期限は24日午後5時(日本時間25日午前7時)。ゴールが秒読み段階に入っても、自らの準備を進めるだけではなく、7年間在籍した球団への財産も残す。マー流の『恩返し』の形が、そこにはあった。