落合GMが神主打法で荒木を熱血指導
「中日春季キャンプ」(5日、北谷)
還暦の神主打法を交えて熱血指導だ。中日・落合博満GM(60)が荒木雅博内野手(36)にアドバイスを送った。荒木が黙々とティー打撃を続けていた最中だ。ウインドブレーカーに黒いサングラス姿で歩み寄ると、オレ流の打撃道場が開始。身ぶり手ぶりを交えながら、次々とアドバイスを送った。
それだけではない。落合GMは荒木のバットを手にすると、お手本を見せるべく自らティー打撃を実演。「おっ~」。神主打法を間近で見るため、最前列まで押し寄せたファンからどよめきが起こった。指導を受けた荒木も、目を皿のようにして落合GMのスイングを観察。荒木の熱血指導とファンサービスを兼ねた“一石二鳥”の濃密な5分間だった。
「選手のことは監督に聞いてよ」。落合GMはあくまで黒子に徹する腹づもりのため、今キャンプで報道陣に向け多くを語ることはない。ただ、チームのプラスとなる作業に労を惜しむつもりもない。落合GMの熱血指導を目の当たりにしていた杉下臨時投手コーチは「じっとしておられないんでしょう。今までが、今までだからね」と、2011年まで指揮官だった心情を察した。
もちろん、指導を受けた荒木も“落合GM効果”を口にした。「上と下がバラバラになっていると指摘されました。いいタイミングでアドバイスをもらって、ありがたいです」。その後も屋内練習場にこもり、落合GMの言葉を反すうしながら黙々と特打を敢行。昨季は打率2割2分2厘、0本塁打、19打点と不本意な成績に終わり復活を目指す荒木にとって、有意義な時間となったのは間違いない。
落合GMは、荒木の熱血指導を終えると隣で練習していた谷繁兼任監督とも打撃論に関して意見交換。常勝軍団を築いた元指揮官は、かつての教え子のためひと肌もふた肌も脱ぐ。