侍J小久保監督がソフトB新人に注目
「ソフトバンク春季キャンプ」(6日、宮崎)
野球日本代表「侍ジャパン」の小久保裕紀監督(42)が古巣ホークスのキャンプを初視察し、ドラフト2位右腕・森唯斗投手(22)=三菱自動車倉敷オーシャンズ=の投げっぷりに目を奪われた。ブルペンでの投球練習、室内練習場で務めた打撃投手を立て続けにチェックした。
ウオーミングアップ終了後、真っ先に向かった室内ブルペン。「摂津が見たい」と足を運んだ小久保監督の目を奪ったのは、思いも寄らない右腕だった。第1クール最終日の4日からA組に昇格したルーキー森だ。
右に寺原、左に中田。二人合わせてプロ通算120勝を誇る両右腕に挟まれても、動じない。一球ごとに「ヨッシ!!」と叫びながら懸命に右腕を振る姿は、日本代表監督の目に新鮮に映った。
「体はそんなに大きくないけど、全体を使ってね。叫ぶというか、声を出しながら、体全部を使って投げていた。力投している感じを受けた」
身長175センチ、77キロ。小久保監督が感じたように、決して恵まれた体格の持ち主ではない。その分、体を目いっぱい使って打者に向かっていく投球スタイルは、それだけで抜群の存在感を放つ。圧巻なのは、ブルペン投球後に務めたフリー打撃での打撃投手だった。
城所と明石に対して47球。スライダー回転する独特の真っすぐに加え、カーブ、カットボールを小気味よく左打者の懐に投げ込み、ヒット性の当たりを計5本に抑え込んだ。秋山監督と並び、内野後方からネット越しに見守った若き将は、素直な感想を口にした。
才能ある若手から、無印の新人まで細かくチェックする過程で“小久保アンテナ”に引っ掛かった。侍になる可能性を秘めた22歳が、まずはタカ投で新風を吹かせる。