ソフトB「鶴の一声」でクセ撲滅へ
「ソフトバンク春季キャンプ」(7日、宮崎)
フリーエージェント(FA)で新加入した鶴岡慎也捕手(32)が、日本ハム時代に感じていた印象やデータなどから、ホークス投手陣が他球団から“癖”を読まれている可能性が高いことを指摘した。
雨で2日連続の室内練習となった第2クール2日目。「僕の持っているデータは全部伝える」。日本ハムに在籍した昨季。鶴岡はホークスと他球団の試合を観戦中に、ファルケンボーグ(楽天)が投じたフォークが、打者に簡単に見極められたことに違和感を覚えたという。
「たぶん何かしらのクセがあるんだと思う」。ファルケンボーグは2009年から4年間で4本塁打しか許していなかったが、昨季は1シーズンで4被弾。防御率も5年間で昨季がワーストだった。故障や年齢による衰えを差し引いても「クセ」を読まれているという可能性は否定できない。
「クセというのは欠点になる。いい球を投げていても、クセを読まれて打たれたらもったいない。配球も意味がなくなってしまう」。他球団からの「マーク」は当然きつくなる。「(クセに)気づいたら指摘をしていくし、それがチーム力のアップにつながると思う」。今キャンプでも多くの投手の球を受けながら、目を光らせている。
「クセ撲滅」が生きるのは、配球面だけではない。昨季はリーグワーストの127盗塁を許した。球団スコアラーは「盗塁阻止率のアップは重要課題の一つ。(投手と捕手とスコアラーの)共同作業でもある。鶴岡に外から見ていた印象を言ってもらえればありがたい」と話す。投手が走者を背負った状況で見せるクセの撲滅にも鶴岡の観察眼を生かしていく。
一方で、鶴岡がこれまでに蓄えた他チームの「データ」を攻撃陣に生かすことも十分に可能。「鶴の一声」を、3年ぶりの日本一を目指すチームに高々と響かせる。