ソフトB・サファテが激落ちフォーク
「ソフトバンク春季キャンプ」(8日、宮崎)
デニス・サファテ投手が今春キャンプで初めてフリー打撃に登板した。松中、、李大浩を相手に計38球を投げ、安打性は4本。李大浩に高めの真っすぐを柵越えとされたが、決め球のフォークの落差は大きく、掃除用具「激落ちくん」のキャラクターが来場した日に、その名の通りに“激落ち”ぶりを発揮した。
サファテが投じたフォークは、真ん中付近からガクンと落ち、ベース手前で弾んだ。生目の杜のタカ党は、その落差を両目に焼き付けた。2月上旬にフォークを披露した事実が、何より順調な調整ぶりを物語っている。「フォークを打者相手に投げるのは、毎年2月下旬ぐらい。この時期に投げられていることは大きい」。松中、李大浩という左右の長距離砲が相手。力のある真っすぐにフォークを織り交ぜて計38球を投げ、安打性は4本にとどめた。
「味方なので当てたくなかった。緊張しました」。そんな状況でも、すっぽ抜ける可能性があるフォークを投げられた。直球を含めた38球のうち21球がボール球。高めに抜けるシーンはほとんどなく、丁寧に低めを攻めた。打者に球種を伝えたこともあり、フォークで空振りを奪えなかったが、見守った郭泰源投手コーチは「まだまだ調整の途中。フォークはもっと落ちるようになる」と予言した。
サファテは反省も忘れない。李大浩に真っすぐを右翼席に運ばれ「パワーもあるし、確率の高いいい打者。球種を教えて投げた、ということもあるけど、あそこまで飛ばすとは」と驚いた。最速158キロを誇る真っすぐの精度を磨く必要性を痛感させられた。
A組の外国人投手では唯一、キャンプ初日からブルペン入り。昨季西武で58試合に登板して10セーブを挙げた右腕は、新天地でも意欲を見せている。加えて、五十嵐との守護神争いも危機感をあおっている。“激落ち”フォークで2人のマッチレースは、さらにヒートアップした格好だ。
前日の7日には、五十嵐が打撃投手に初登板。サファテとほぼ同じ調整ペースでキャンプを送っている。3・28開幕戦でストッパーの座にいるのは誰か。激しい競争が、日本一奪還に向けたチームの推進力になる。