さく裂ゴジラ弾!松井臨時コーチ5発
「巨人春季キャンプ」(9日、宮崎)
巨人で臨時コーチを務める松井秀喜氏(39)が、サンマリンスタジアム宮崎でフリー打撃を実演した。打撃投手を務めた阿部慎之助捕手(34)を相手に、22スイングで5本の柵越えを披露。引退選手とは思えない打球の連発に場内はあぜん。ゴジラショックが球場全体を包み込んだ。
サプライズだらけだ。フリー打撃実演だけでも異例。だが松井氏は“ゴジラ弾”をさく裂させ、周囲の度肝を抜いた。
12時55分。「松井臨時コーチが巨人軍の選手のためにバッティングを行います」との場内アナウンスが流れた。スタンドから大きな拍手がわき起こり独特の緊張感に包まれた。打席の後ろに設置された防球ネット裏で原監督、1軍の選手がズラリと見守った。打撃投手は阿部、ドラフト1位・小林(日本生命)がマスクをかぶった。
松井氏は現役時代と全く変わらず、どっしりと打席で構えた。早々と衝撃を与えた。4スイング目。すさまじい打球音。火を噴くような打球が右翼スタンドへ。松井氏は、どや顔で選手の方を向いてガッツポーズだ。「照れ隠しでやった」と苦笑いを浮かべた。
右翼スタンド中段にも運んだ。選手から拍手が起こった。22スイング目に5本目の柵越えを放って終了。「語るほどのものではない気がします。一応、強く振った方がいいかなと」と涼しい顔だったが日米通算507本塁打のパワーは、いまだに健在だった。
原監督から依頼されてゴジラのフリー打撃が実現。じっくりと“調整”してきた。第1クール中は素振りなどで極秘特訓。この日は報道陣シャットアウトの旧室内練習場でフリー打撃を敢行した。
全てはかわいい後輩たちのためだ。「今の自分のバッティングの中に何かヒントがあるかどうかは分かりません。何かあったことを祈るだけ」。ナインに衝撃と刺激を与えたことだけは間違いない。