「巨人春季キャンプ」（１３日、宮崎）

　宮崎キャンプを打ち上げた。ＯＢ・松井秀喜氏（３９）の臨時コーチとしての任務は終了。２週間のコーチ業で、選手とともに汗を流し、触れ合ったことで、ジャイアンツ愛はより深まった様子。将来の巨人監督就任に向けて、大きな一歩になるかもしれない。

　コーチ業を終えた松井氏は温和な表情を浮かべた。「後輩の選手たちのいろいろな部分をじっくり見ることができた。非常に有意義な時間でした」。

　臨時コーチとして奮闘した。選手とじっくり話をして指導した。若手と食事をともにしコミュニケーションを図った。主力選手らを相手に打撃投手を務めて“ゴジラ魂”を注入した。

　０３年にヤンキースに移籍後、巨人の選手たちとの関わりは減った。自然と、古巣のことを一歩引いて見るようになっていた。だが後輩たちと一緒に汗を流し、触れ合ったことで、心境は変化した。

　「今まではチームメートだった選手中心に見てましたけど、これからは全選手を見るのが楽しみ」。もともと「ジャイアンツは僕にとって愛するチーム」だったが、その“愛”はより深まった。

　既に巨人から将来の監督就任を要請されている。これに対しては「そういうことは一切、考えてなかった。現時点でも変わってない。フラットなまま」と多くは語らなかった。

　だが巨人への愛はもちろん、古巣に貢献したい思いは強い。今月中に米国のヤンキースのキャンプ地を訪れ指導者としての経験を積む。今回の臨時コーチが、将来の監督就任への第一歩となるかもしれない。