楽天・松井裕、G圧倒2回パーフェク投
「オープン戦、巨人3‐2楽天」(23日、沖縄セルラー)
楽天のドラフト1位、松井裕樹投手(18)=桐光学園=が、巨人とのオープン戦に先発し、2回無安打無失点、2奪三振と最高の内容で終えた。プロで経験する初の対外試合の初戦。上々のスタートを切った。
黄金ルーキーの評価に恥じない力を見せつけた。実戦初登板となった松井裕が、2回無安打無失点と上々デビュー。坂本、村田という強打者から空振り三振を奪うなど、完璧な内容で抑えた。
昨年のセ・リーグ覇者を、走者も許さずに仕留めた。先頭の坂本に直球でストライクを奪うと、リズムに乗った。「ストライク先行で、自分のリズムで投げられた」と納得の笑顔。長野のバットをへし折るなど、ボールにも力があった。
投球練習では最後の1球が大暴投。打席に向かう坂本も驚き、球場もどよめいた。「緊張してました」。だがその緊張を力に変えた。
二回は、村田に粘られたが、最後は130キロのチェンジアップで空振り三振に。「村田さんの三振は良かった。いい制球力で投げられました」。力のある直球、伝家の宝刀のスライダーではない。力を感じさせる第3の武器で、相手の主砲を仕留めた。
うなったのは星野監督。「あそこまでいいボール投げるとは思ってなかった。四球の一つや二つ出すかと思ったけど、場慣れしてる。追い込んでからのスライダーは、プロでも手を出すね」と絶賛の連続だった。
それでも2回しか投げていないということから、自己採点は「70…いや、60点です」と控えめ。それを聞いた指揮官は「本人が60点と言うなら、そうなんじゃない?」と話すと、「あと40点もあるのか」と、今後の伸びしろを想像してうれしそうに笑った。
3月の初めは卒業式、プロ野球の新人研修などがあり、次回登板は3月7日以降となりそう。「自分はアピールしていかないといけない。投げるチャンスがあれば、一人一人、真剣に投げたい」。注目度No.1ルーキー。“デビュー戦”で、期待通りの仕事を果たした。