Gドラ1小林メモリアル逆転満塁場外弾

 「オープン戦、巨人7‐6阪神」(10日、伊勢)

 大きな可能性を感じさせるドラフト1位の逆転満塁場外弾だった。3点を追う八回無死満塁。山本の初球を巨人・小林はコンパクトに振り抜いた。打球は風に乗り左翼スタンド向こうの駐車場に着弾。打球が消えるのを確認し、一塁ベースを回る直前に右腕で小さくガッツポーズした。

 「記憶にない」という満塁弾はメモリアルアーチになった。選手全員が沢村栄治氏の背番号「14」をつけて臨んだ記念試合で、球場の“新装1号”。新人のオープン戦満塁本塁打は2010年の長野(巨人)以来で、1970年以降では7人目。開幕前にその名を刻んだ。

 「こういう試合、こういうシーンで打てたことは光栄です」とニッコリ。24歳の小林にとって沢村氏はあまりにも遠い存在だが、「偉大な先輩がおられたジャイアンツで大好きな野球ができることに感謝できて、すごく幸せな気持ちです」と巨人の伝統の重みをあらためて体感した。

 “プロ1号”は、阪神のオープン戦初勝利を打ち砕く一発にもなった。「伝統の一戦はテレビでも見ていたし、打ててうれしい」。原監督は「弾みがつくと思う」とたたえた。自身を「持ってるか持ってないかで言えば持ってないと思う」と謙遜するが、甘いマスクとは裏腹に、ただ者でない雰囲気を醸し出してきた。

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