楽天一同は練習前に黙とう…連覇へ気合
東日本大震災から3年となった11日、仙台市に本拠地を置く楽天は、倉敷マスカットスタジアムで行われた練習前に、星野仙一監督(67)、コーチ、選手、スタッフ全員で1分間の黙とうをささげた。各地のオープン戦でも黙とうが行われ、阪神選手会は義援金の募金活動を実施。球界全体が犠牲者に哀悼の意を表し、復興支援への思いを新たにした。
悪夢から3年。練習開始前の午前9時55分から1分間、グラウンド上で輪をつくり、スコアボードの上の国旗、球団旗などに向かって祈った。改めて心境を問われた星野監督は、10秒ほど考え込んで口を開いた。
「今が、ものすごく平和に感じる」
震源から遠く離れた明石で知った事実。「その時はよくわかってなかった。2、3日して、大変なことになってると感じた」と振り返った。
被災をしていない身分で、被災地のことを語ってよいのかという葛藤があった。それは、今でもある。「当人じゃないから、軽々しくは言えない。本当のところはわからない」。ならば、野球人として何をするべきか。
「我々は勝つしかない。(つらい気持ちの)根本は変えられないけど、瞬間、瞬間で忘れさせる。気をそらすことができれば」
昨年は球団初のリーグ優勝、日本一を果たした。だが日本一を決めた際、指揮官は東北の人々への貢献度について「まだまだすずめの涙」と語った。当時選手会長だった嶋はこの日、「連覇をすること」と改めて気を引き締めた。今年も勇姿を見せる。それが、小さな勇気になることを信じて。