原マジック!藤村ぶっつけコンバート
「オープン戦、ロッテ5-12巨人」(12日、QVC)
“原マジック”がさく裂した。三回裏。巨人は「2番中堅」で先発出場の橋本がベンチに退いた。代わってセンターに藤村が入ることを場内アナウンスが告げると、球場はざわついた。藤村の本職は内野。外野守備は新人時代の08年に2軍の試合で就いて以来でその後、練習もしていなかった。
緊急コンバートは奇策とも言える。だが原監督は平然と言った。「そのくらいの順応力はあると」。その読み通り藤村は中堅の守備を無難にこなし「急でした。開き直った」。打撃も2安打2打点で、オープン戦の打率を・438に上げた。
若手に対する“懲罰”の意味合いもあった。指揮官は「センターというポジションはだらしない人間が多すぎる」と怒り心頭。期待の大田は伸び悩み。この日、2打席連続三振の橋本を「バットに(ボールが)当たらない。ジャイアンツの2番としてふさわしくない」とバッサリだ。
外野の層が薄いチーム事情の上、首脳陣は2番の適任者を探していた。そこに片岡、井端の加入で内野では出番が減りそうな藤村をはめた。「可能性という部分を引き出せれば一番いい」と今後の外野起用も示唆した。
オープン戦で6連勝とチームは好調。だが、悲願の日本一奪回のため、今後もありとあらゆる手を打つ構えだ。