E松井裕出た150キロ 4・2デビューへ
「オープン戦、DeNA4‐2楽天」(19日、横浜)
楽天のドラフト1位・松井裕樹投手(18)=桐光学園=が、DeNAとのオープン戦に先発し4回2失点、5奪三振だった。プロ入りしてから実戦では初失点を喫したものの、直球はこれまでに自身が記録した最速を塗り替える150キロをマーク。シーズンに向け、期待はますます膨らむ。
悔しい思い出が残る球場に、一回り大きくなって帰ってきた。桐光学園時代、横浜に敗れ、夏の甲子園出場を逃した横浜スタジアム。「(意識は)もちろんありました」。松井裕はその思いをボールに込めた。
初回は3者連続三振。2番・白崎への4球目、電光掲示板に「150」がともると、どよめきが起こった。
これまでの自身最速は、高校時代に記録した149キロ。「真っすぐは、試合前から調子が良かった」と納得顔。球速には「(ガンが)緩かったので」と謙遜したが、これも成長の証しだろう。
二回、3安打に四球が絡んで2点を失った。オープン戦4試合目、14イニング目で初めての失点となった。「打たれたボールが高かった」と反省。しかし無失点を続ける重圧からは解放され「開幕までに取られてよかったです」と笑った。
今月上旬、岡山で星野監督に誘われ、選手数人と食事をともにした。年上しかいない状況で、しかも相手は闘将。だが大阪ドームのマウンドの具合など、気になっていたことを物おじせずに質問した。「アイツは分からないことは自分から聞いてくる」と、指揮官はうれしそうに言う。
報道陣へのコメントは控えめだった左腕だが「自分のボールをコントロールできれば、勝負になる」と、自信も芽生えつつある。星野監督は「3者連続三振するようなヤツは、どっかでつかまるんだよ」と笑い飛ばしながら、「悪くない」と及第点を与えた。
中6日で登板するとなると、プロ初先発は4月2日のオリックス戦(コボスタ)が最有力。未経験のナイターではなく、デーゲームというメリットもある。「自分の任されたところで力を出して、まず1勝して流れをつかみ1年間投げていければ」。怪物ルーキーは、万全の調整でオープン戦を終えた。