智弁和歌山、再試合目前のサヨナラ負け
「選抜高校野球・1回戦、明徳義塾3‐2智弁和歌山」(24日、甲子園)
帽子を取り天を仰いだ。引き分け再試合を目前にしながら、自らの暴投で喫したサヨナラ負け。智弁和歌山・東妻(あづま)の胸中には空虚な気持ちだけが残った。
「僕が試合をつぶした。申し訳ない」
2‐2の延長十五回1死満塁の場面だ。1ストライクから2球目。139キロの直球が捕手の手前で弾んだ。「低めを意識し過ぎて引っかかってしまった」。バックネット裏に球が転がる間に、サヨナラの三塁走者が自身の目の前を駆け抜けた。
2‐1の延長十二回1回一、三塁で先発の2年生左腕、斎藤を救援。スクイズで同点とされたが、その後は粘りの投球を見せていた。「延長での1球の重みを知った。夏に帰ってきて抑えたい」。背番号1は目に涙を浮かべ、リベンジを誓った。