SB中田に「お帰り~」母に贈るFA星

 「ソフトバンク5‐2ロッテ」(29日、ヤフオク)

 はにかみながら上がった本拠地のお立ち台。スタンドの「お帰り~」コールを浴びて、北九州で生まれ育ったソフトバンク・中田がマイクを握りしめた。「では北九弁で。次の試合もちかっぱ頑張るっちゃ!」。新天地での初登板は6回2失点。FA移籍投手では球団史上初の初登板初白星を手にした。

 「緊張であまり良くなかった」という初回は、1死一、二塁で井上を空振り三振に仕留めて、ペースをつかんだ。六回に2点を失ったが、最速146キロ直球に低めの変化球を交えた投球は安定感に満ちていた。

 4球団からラブコールを送られた昨オフ。移籍を決断した最大の理由が、北九州市在住の母・涼子さん(59)の存在だった。「中日時代は、なかなか北九州に帰れなかったので」。通算62勝目のウイニングボールは、母に贈ると決めていた。「初勝利のときは何も考えずに父にあげた。母は寂しかったと思う」。親孝行な男の新たなプロ人生が始まった。

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