ハム中田「西岡剛さんにささげる一発」
「ソフトバンク1-5日本ハム」(1日、ヤフオク)
決勝弾を放った日本ハム・中田は報道陣に囲まれると開口一番、こう言った。「西岡剛さんにささげる一発です」。今季15打席目で放った初アーチは、大けがを負った大阪桐蔭の先輩を勇気づける一心で放った芸術品であった。
主砲の一撃が、開幕3連勝と勢いに乗るソフトバンクに大きなダメージを与えた。二回。スタンリッジの内角低め、厳しい直球を肘をたたみ、コンパクトに振り抜いた。打球は広いヤフオクドームの左中間席最深部へ突き刺ささる先制本塁打。「しっかりとポイントで捉えているから」。西岡とともにオフに自主トレで黙々とバットを振ってきた成果が結果に出た。
先輩に豪快なアーチを見せたかった。30日の巨人戦。激突し救急車で搬送され入院した西岡の容体を心配した。電話をかけて「俺は大丈夫だ」と答えが返ってきたが、この日、出場選手登録を抹消され、心を痛めた。
三塁に挑戦する中、守備の手ほどきを受け、公私ともに世話になっているよき兄貴分でもある。「後輩が活躍すれば喜んでくれると思う。少しでも元気な姿を見せられれば」。ここまで主砲が打点を挙げた3試合は全勝。頼りになる4番は先輩のために、チームのために勝利につなげる本塁打を打つ。