森脇監督“鬼采配”オリックス6連勝
「オリックス3-2西武」(6日、京セラ)
情を捨てて、勝負に徹した。五回、オリックスの初登板初先発だったドラフト1位・吉田一(JR東日本)は3番・秋山に右前適時打を許して3‐1となった。2死一塁で続く打者は4番・浅村。本塁打以外はリードをたもてるが、森脇監督は投手交代を告げた。プロ初勝利まであと1死のところでの非情采配。試合後、指揮官は意図を明かした。
「その質問は避けて通れないと思った。“鬼”とか書かれそうだけど、投手全体でかかっていかないといけない試合だった」
吉田一が勝てば、チームでは酒井勉以来25年ぶりとなる新人投手の初登板初勝利だった。新人への白星をつけたい思いは当然だが、最優先なのはチームの勝利。その姿勢を鮮明にした結果、比嘉らの継投でリードを守り、昨年5月以来となる6連勝を飾った。
勝利目前でマウンドを降りた吉田一は「悔しさはあります」と心中を明かした。一方で「次はあの場面でも投げさせてもらえるように信頼を得たい」と、この経験をバネにすることを誓った。
森脇監督は、吉田一の投球内容については「ナイスピッチング。次の切符はつかんだ」と評価した。好調のチームはここまで吉田一以外の先発投手全員が白星を挙げている。近いうちに初勝利を“取り戻す”機会はめぐってきそうだ。