「ロッテ４‐３楽天」（１１日、ＱＶＣ）

　４番の仕事だ。ロッテ・今江は反撃のノロシを上げると、勝ち越しの一打もたたき出した。打つべき人が打ち、伊東ロッテは価値ある白星を手にした。

　「嫌な流れだった。則本を相手に３点は大きかったから」。重苦しい雰囲気を、ひと振りで断ち切ったのは、今江だった。二回。３点の先制を許した直後の攻撃。１４３キロの高め直球を豪快に振り抜くと、打球は左翼の看板上部を直撃する推定１４０メートルアーチとなった。この特大弾が口火となり、一挙３点と瞬く間に同点に追いついた。

　昨季も苦しめられた２年目右腕から、一回は３者三振。伊東監督は「ベンチは恐怖を感じていたけど、あの１発で勇気をもらった」と、値千金の４番の一撃を振り返った。

　責任感の強い男は、しっかり勝利へ導いた。五回２死一、三塁では左翼線へ勝ち越し二塁打。借金生活は続くが、４番の２安打２打点で連敗を免れ、大きな勝利を手にした。