「オリックス３‐１日本ハム」（１５日、京セラ）

　今年のオリックス・西はひと味違う。唯一迎えた四回１死満塁のピンチでも冷静だった。「チームのために…」。呪文のようにつぶやいて間を整えると、大引を見逃し三振、佐藤賢を投ゴロ。この日もスコアボードに０を並べた。

　７回３安打８奪三振の力投。今季初登板となった１日・楽天戦は二回以降無失点。８日・ロッテ戦は自身初の無四球完封。連続無失点は２２回に伸び、自責点は０（失点２）のままだが「野手の方のおかげです」と謙虚さを崩さなかった。

　森脇監督は、抜群の投球を見せた右腕を「成人したなという感じ。本を読んでいることも大きい」とたたえた。実は、西は大の読書家。累計１００万部以上を売り上げたサッカー日本代表ＭＦ長谷部誠の著書「心を整える。」も、話題になる前に読破していた。

　西は今年の春季キャンプに、５０冊もの蔵書を持ち込んだ。ジャンルは、メンタル論を説いたものからビジネス書まで広くカバー。多くの知識を吸収することで、投球の幅が広がった。

　チームは３試合ぶりの勝利で、００年以来１４年ぶりとなるリーグ１０勝一番乗りとなった。西がこのままエース級の活躍を見せ続けるのなら、まだまだ快進撃は続きそうだ。