巨人、阿部の決勝弾で“大乱戦”にケリ
「ヤクルト8-9巨人」(16日、神宮)
大乱戦にケリをつけたのは、主砲の一振りだった。8‐8の延長十回。巨人・阿部が秋吉から会心の一発。打球は右翼席にグサリと突き刺さった。
この日、2本目のアーチで勝負は決した。「うれしいのと、本当にこれで(試合が)終わるかなと思いました」と思わず本音を口にした。
波乱含みの展開だった。8‐7の九回にマシソンがバレンティンに同点ソロを浴びた直後。不振でイライラが募っていたのか、マシソンが声を張り上げた様子だった。これが発端となりバレンティンが激怒。2人が激しく口論し、両軍入り乱れて一触即発の事態となった。
だが正捕手は冷静だった。「打たれたあいつ(マシソン)が、負け犬の遠ぼえのようにほえた。あいつが悪い」と、まるで“一喝”するようにはっきりと言った。
試合でも存在感は絶大だ。打順が5番に上がったこの日、五回には右越えに1号ソロ。2本塁打でチームの連敗を4できっちり止めた。
4時間15分の激闘に「あ~、疲れた。見てる方も疲れるかもしれないけど、やってる方はその10倍疲れる」と苦笑い。そして「あしたから新たな気持ちで頑張る」とチームを鼓舞するように言い切った。