中日・朝倉、1403日ぶり勝利投手
「ヤクルト3‐4中日」(25日、神宮)
中日・朝倉が6回2失点と好投し、2010年6月22日の横浜戦以来、1403日ぶりの勝利投手となった。「心が折れそうになった時もあったけど、あきらめずに頑張ってよかった」。背番号14がよみがえった。
最大のピンチも乗り越えた。3点リードで迎えた五回、2死一、二塁から山田に中前適時打。友利投手コーチがマウンドを訪れて右手で胸をポーンとたたいて気合注入だ。直後の雄平を遊ゴロでピンチ脱出した。
崖っぷちからの生還だろう。過去4度の2桁勝利を誇る右腕も、昨年まで3年間は白星なし。解雇も覚悟したが、昨年末に待っていたのは15年目の契約だった。最高で1億1500万円(08年=金額は推定)だった年俸は大幅減の1800万円になった。しかし、契約更改交渉での席上、落合GMから言われた「もう一度10勝する姿が見たい」という言葉に燃えていた。
「これからもどんどん投げていきます。応援よろしくお願いします」。32歳の右腕は目を潤ませて、ウイニングボールを握りしめた。