「デイリー後援・広島六大学野球、広経大４-３

　広経大が近大工を延長十二回の末、４‐３で下して勝ち点を５とし、４季ぶり２４度目の優勝を飾った。６月１０日に開幕する全日本大学野球選手権に２年ぶり１３度目の出場。第１日の１回戦で九産大（福岡六大学）と東京ドームで対戦する。指揮を執って３季目で“初優勝”した広島カープＯＢの山本翔監督（３０）は、涙を浮かべて喜んだ。

　優勝の瞬間、山本監督は目にうっすらと涙を浮かべた。「よく頑張ったなと思って。しんどい思いをしながらみんな頑張った」と目頭を押さえた。

　優勝に王手をかけた一戦は、苦しい戦いだった。九回に同点に追い付き、延長十二回に敵失で決勝点を挙げた。「去年までは我慢できなかったけど、選手がよく我慢した」とナインをたたえた。

　昨春から同じカープＯＢの龍憲一前監督（７７）からバトンを引き継ぎ指揮を執った。就任２季目の昨秋は、勝てば優勝という近大工戦で九回２死まで１点をリードしながら逆転満塁本塁打を打たれ敗れた。「最後のアウトを取るまで隙をつくるな」と、野球以外の私生活での改善も促した。

　プロ９年間で１軍の試合に出場することはなかった。しかし、技術はもちろん精神面でも鍛えられてきた。この優勝も「カープのおかげ」という。次は全日本大学選手権。「広島六大学代表として自覚を持って全国で大暴れしたい」と広島旋風を誓った。