仙さんに届け!則本気迫の2戦連続完封
「交流戦、巨人0‐4楽天」(28日、東京ド)
闘将の気迫が秘蔵っ子に乗り移った。楽天の則本がマウンド上に仁王立ち。最後の打者を遊ゴロに仕留めると、右コブシを力強く握り締めた。休養に入った星野監督の宿敵を3安打に抑え、2試合連続の完封勝利だ。
「初回から、いけるところまで飛ばそうと思っていた。一生懸命、魂を込めて投げました。星野監督に届くようなピッチングをしようと思っていました」
昨秋の日本シリーズの再戦。相手は、指揮官が現役時代から「打倒」に執念を燃やしてきた巨人だ。その思いを受け継いだ右腕は「監督の宿敵なので、何としても倒そうと思っていました」と声を張った。
この投球なら文句を言われるはずがない。女房役の嶋も「キレッキレでした」と舌を巻いた直球は、プロ入り最速に並ぶ153キロをマーク。球団では田中将大(ヤンキース)に次ぐシーズン3完封勝利を飾った。
2年連続で開幕投手を任され、日本シリーズでは田中とともに大車輪の役割を託された。「まだエースじゃない」。大黒柱が抜けた今季、何度も浴びせられた指揮官からの厳しい言葉も“後継エース”としての期待の表れにほかならない。
指揮官が座るベンチの“指定席”に置かれたユニホーム。「星野監督、やりました。これからチームはもっともっと勝っていきます。早く戻ってきてください」。カメラを通じて伝えたメッセージは、チーム全員の思いでもある。