亜大が戦後初6連覇!エース山崎号泣

 「東都大学野球、亜大2‐1国学大」(29日、神宮)

 亜大が延長戦を制して勝ち点4とし、6季連続23度目の優勝を果たした。6連覇は専大(39年春~41年秋)に次いで史上2校目で、戦後初。同点の十回に長宗我部竜也内野手(4年・新田)が決勝打を放った。今秋ドラフト候補右腕の山崎康晃投手(4年・帝京)が1失点完投で今季5勝目。国学院大は2季連続の2位。亜大の山崎が最高殊勲選手と最優秀投手に選出され、首位打者には拓大・水野敬介外野手(4年・静清)が輝いた。

 最後はエースと王者の意地だった。1点リードの延長十回2死一、三塁から、三遊間を破りそうな打球を、亜大の三塁・藤岡が飛びついてはじくと、素早く一塁に送球してアウト。劇的な幕切れで、6連覇が決まった。

 胴上げ投手となった山崎は「ホッとした」と号泣。十回途中、右でん部がけいれん。ベンチで治療を受けてマウンドへ戻った。東浜(現ソフトバンク)、九里(現広島)から受け継ぐ系譜。「降りるようではエースの名折れ」。気力を振り絞り、投げ切った。

 後輩に勇気を届けた。3年生右腕の花城が今月中旬、楽天・星野監督と同じ難病「黄色じん帯骨化症」と診断された。現在は北海道でリハビリ中。山崎は「絶対優勝して、花城にボールを渡すと思っていた」と明かした。

 5連覇中と違い、レギュラーの4年生は少ない。だが国学院大戦では、2回戦で決勝打の渡、この日同点弾の池知と、控えだった最上級生が最後に結果を出した。「今まで腐らず頑張ってきた選手。野球の神様はいるのかな」。生田勉監督(47)も感慨深げだった。

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