オリ金子9回無安打無失点も快挙ならず

 「交流戦、オリックス0-1巨人」(31日、京セラ)

 9回を無安打無失点。それでもオリックス・金子の快投が記録として残ることはなかった。

 初回、先頭の中井から4者連続三振と最高の立ち上がり。三回は1死二、三塁のピンチを切り抜けた。中盤以降は1つアウトを取るたびに、満員の球場が大歓声に包まれた。

 結局9回144球、被安打0、11三振で4四球。「ノーヒットだったのは知っていましたけど、最後まで意識はしていなかった」。ただ一つ足りなかったのは運だった。

 九回2死二塁では阿部の鋭いライナーを遊撃手・安達が飛び上がって好捕。失点を覚悟した金子は安どの表情に変わり、2度グラブをたたいた。ベンチに戻る安達をベンチ前で迎えてハイタッチ。味方の攻撃に託した。

 その裏、先頭の安達が内野安打で出塁。伊藤が送り、1死二塁で金子の打順になった。球数のこともあり、ベンチは代打を選択。後は味方のサヨナラ勝ちを祈った。だが2死満塁となってヘルマンは右飛。願いはかなわなかった。

 そしてチームは十二回、馬原が亀井に勝ち越しソロを浴びた。「九回、サヨナラになっていたら、もちろんノーヒットノーランになってうれしいけど、僕が一番大事に考えるのはチームの勝利」。エースは厳しい表情を崩さず、球場を後にした。

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