慶大、入院中の監督に吉報届けた逆転V
「東京六大学野球、慶大8‐6早大」(1日、神宮)
慶大が打撃戦を制して連勝し、6季ぶり34度目の優勝を飾った。勝ち点4で早大と並んだが、勝率で上回った。同点の六回に、谷田成吾外野手(3年・慶応)が勝ち越しソロを放った。全日程を終了し、最優秀防御率賞は加藤拓也投手(2年・慶応)が0・87で初受賞。首位打者は武藤風行内野手(4年・金沢泉丘)が、4割7分7厘で獲得した。慶大は、10日に開幕する全日本大学選手権(神宮、東京ドーム)に出場する。
慶大が猛打で“陸の王者”復活を遂げた。早大との伝統の一戦で、最後は4点差を逆転勝ちしてのV決定だ。
値千金の一発を放ったのは、3番・谷田。同点の六回2死から外角直球を逆方向の左翼席へ運ぶ4号ソロ。「飛びましたね。スタンドに吸い寄せられた感じ」と笑顔を見せた。
竹内秀夫監督(59)が昨年12月の就任直後から内臓疾患で入院中。だが「いないことをマイナスにしちゃいけない」と、ナインに自覚が芽生えた。今春はシーズン中もウエートトレを継続。谷田は「飛距離が伸びた」と、効果を口にした。
竹内監督は、病室のテレビで優勝の瞬間を見届けた。代わって指揮した江藤省三助監督(72)は「今回は特別な気持ちがあった」と涙。逆境を成長の糧に変えた選手が、最高の“良薬”を贈った。