阿部333号で1000打点もG奪首失敗

 「交流戦、巨人1‐3西武」(7日、東京ド)

 勝利で節目を飾りたかった。プロ野球史上42人目となる1000打点をゴジラ超えの一発で決めても、巨人・阿部に笑顔はなかった。「軽く振った割には飛んでいったな。勝てなかったからね」。試合後、通路を歩きながら唇をかんだ。

 劣勢の展開で静かだったドームが沸いたのは2点を追う五回だった。2死無走者で打席に立ち、フルカウントから岸の144キロ直球をたたいた。ライナー性の打球は右翼席に突き刺さった。主将の記念弾に、地鳴りのような大歓声が起こった。

 5月8日以来の一発。球団単独4位の通算333本目のアーチで松井秀喜氏が巨人時代に放った332発を超えた。「数字のことはいずれ引退した時にでも振り返りたい」と感慨に浸ることはないが「東京ドームで達成できたことはうれしい」と胸をなで下ろした。

 999打点目を挙げてから8試合足踏みした。打撃の感覚は悪くなかったが、結果が出ない。福岡遠征中には「状態は上がってると言い聞かせてやってます。数字ばかり言われるからね」とポツリ。3年ぶりに8番に降格した前日から、早出でバットを振った。もがいた末に、もどかしい思いを振り払った。

 原監督は「ジャイアンツの主力バッターとして燦然(さんぜん)と輝く数字」とたたえた。ただ、チームは主砲の本塁打のみで敗れ、4月11日以来の単独首位はならなかった。勝利につながる一発、打点を挙げたい。その時こそ、阿部の完全復活になる。

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