「交流戦、ＤｅＮＡ５‐１楽天」（８日、横浜）

　希望の星がいきなり輝きを放った。「３番・三塁」で先発したＤｅＮＡ・グリエルが、３安打猛打賞の鮮烈デビュー。本拠地のお立ち台に上がったキューバの至宝は「打てて非常に満足しているよ」と笑った。

　来日初安打は、三回２死走者なしで迎えた第２打席。ブラックリーの変化球を捉えた打球が、三塁手・松井稼のグラブをはじき、左前へ。逆転の口火を切る貴重な一打だった。

　五回の第３打席は左翼線二塁打、七回の第４打席も中前打を放った。国際試合の経験は豊富だが「初めて国外リーグでのプレー。プレッシャーはあった」。それでも、安打は全てファーストストライクを仕留め、確実性の高さを証明した。

　魅せたのは打撃だけではない。一回の守備では、藤田の三ゴロを華麗なジャンピングスローで処理。三回は初安打で出塁すると、ブランコの右中間二塁打で激走。一塁から一気に本塁へ生還した。最下位に沈むＤｅＮＡファンに夢を抱かせる活躍に中畑監督も「期待通りの活躍。すごい戦力になる」と大興奮だ。

　福島県郡山市で楽天と戦う９日は、３０歳の誕生日。グリエルは「家族が恋しくなるかもしれないな」と笑いながら「私の持っているベストを見せるよ」と、力強く約束した。