オリ完封リレーで97年以来の貯金16
「交流戦、広島0‐2オリックス」(9日、呉)
壁を乗り越えて手にした勝利はひと味違う。今季、白星が付いた試合は全て六回途中で降板していたオリックス・松葉が、六回を投げきり2安打無失点で4勝目。森脇監督は「松葉がこういうピッチングをできたのはチームにとって大きい」と、今季一番の投球を見せた左腕を絶賛した。
好投は予習のたまものだ。呉のマウンドは、本拠地・京セラドームと比べてかなり低い。「前回投げた海田さんに聞いて、何となく想像できている」とイメージをふくらませて試合にのぞんだ。
それでも「立ち上がりはコントールの乱れにつながった」と、初回は先頭の梵に3球連続ボール。菊池には四球を与えた。だが「回を追うにつれて慣れてきて、定まるようになった」。低さに適応すると、四回1死の菊池まで安打を許さなかった。
七回からは馬原、佐藤達、平野佳の鉄壁リレーで完封勝利。12球団トップの防御率を誇る投手陣が、盤石の継投を見せた。指揮官は「チームが勝つ確率を考えたら、手を余したくなかった」と、85球の松葉を交代、惜しげもなく中継ぎ陣をつぎ込んだ。広島戦7連勝で、貯金は今季最多、97年以来の16になった。
松葉は開幕ローテを期待されながら、初登板は5月になってからだった。遅れてきた男の快投は、チームにますます勢いを与えそうだ。