東海大、原貢氏にささげる13年ぶりV
「全日本大学野球選手権・決勝戦、東海大2-0神奈川大」(15日、神宮)
東海大が神奈川大に完封勝ちし、13年ぶり4度目の優勝を飾った。大城卓三捕手(4年・東海大相模)が先制適時打を含む2打点を挙げ、最高殊勲選手賞と首位打者賞を受賞。神奈川大は初優勝を逃した。
タテジマ軍団が13年ぶりの歓喜に酔いしれた。5月29日に亡くなった元監督の原貢氏にささげる日本一。東海大の横井人輝監督(52)は「きっと見守ってくれていると思う。帰りは家に寄って、ウイニングボールを届けたい」と、声を詰まらせた。
教えは生きていた。1点リードの七回2死二塁。低めの変化球に食らいついた大城卓の打球は、中堅の頭上を越える適時三塁打。高校時代、貢氏の指導を受けた好打者は「『センター中心に振っていけ』と。とにかく基本の大切さを教わりました。いい報告ができる」と笑みを浮かべた。
横井監督は、貢氏の野球にあこがれて東海大に進んだ。だが、指導者になる時「オレのまねをしても勝てないよ」と言われ、自分のスタイルを追求してきた。「僕は豪快に打ち勝つことはできない。足を絡めて、作戦を練って」。言葉通り、この日は6四球を選んで重圧をかけ、少ない好機を生かした。脈々と受け継がれる“東海イズム”で立った頂点。天国の貢氏も喜んでいるはずだ。