楽天・則本、リーグトップタイ9勝目
「日本ハム2‐3楽天」(29日、札幌ド)
全身を使って大きくガッツポーズ。楽天・則本が八回2死、148キロの直球で大谷を空振り三振に切った。「三振を狙いました。きょうは大谷がキーマンだと思っていた。あそこで仕留めなければ、九回の勝ち越しもなかったかもしれない」。8回2失点。リーグトップタイの9勝目を得た。
許せない自分がいた。六回1死、大谷に右中間に同点の特大弾を食らう。「リードしてる状況で進めることができない自分への怒りがあった」。同点ならば、九回も続投することを首脳陣へ直訴。九回2死でチームが勝ち越したことで守護神へつないだが、最後まで責任感は持ち続けた。
高卒の大谷とは年齢は違うが、ともにプロ2年目。昨年、大谷についてこう語った。投手としては「体も大きいし、肩も柔らかい。素質はものすごいですし、うらやましいですよ」とジェラシー。打者としては「打たれてたまるかとは思ってます。特に注目されてる選手ですからね(笑)」とライバル心をひときわ燃やした。今季初対決で実現した、本塁打直後の三振返し。両者の気持ちが結果に表れた好勝負になった。
9勝目はオリックス・西と並んでリーグトップ。「まだ中盤。最後までを見据えて、しっかりやっていきたい」と、自分の記録への意識を封印した。完封こそ逃したが、抜群の安定感。覚醒の気配が漂ってきた。