楽天松井裕やっと勝てた“感謝の初星”
「オリックス0‐2楽天」(2日、京セラ)
苦しみながら経験を重ね、勝った。楽天のドラフト1位・松井裕(桐光学園)がプロ初勝利。2点リードの五回2死一、二塁から2番手として登板。2回1/3を無失点。七回2死一、三塁、糸井を空振り三振に切り、跳びはねてガッツポーズした。
持ち味をフルに発揮した。六回のペーニャから、4者連続三振。課題だった制球力も安定し、無四球。5三振と躍動した。
感謝したい3人がいる。1人目は桐光学園の野呂監督。「技術がついたら、あとは人間としての力だよ」。ミーティングで聞いた言葉だ。「意味がよくわからなかったんです。甲子園に行ったときは年上の捕手で、ガムシャラに投げるだけだったから。でもコウキと組むようになって、周りをもっと見て野球しないとと思った」
2人目は2年下の田中幸城君。バッテリーを組んだ高3の夏。甲子園出場はつかめなかったが、人間的に成長させてくれた。
開幕からなかなか勝てず、2軍生活、中継ぎを経験。必死に練習を積んだ。「中継ぎの方は本当に大変。でも、それをできるのは大きい」。挫折にへこたれない精神力が、自分にはある。
3人目は離脱中の星野監督。「ようやく初勝利を挙げることができました。監督が帰ってくるまで、いい投球を続けられるように頑張ります」と童顔をほころばせた。