G杉内 最速2000奪三振で虎完封 

 「巨人5‐0阪神」(12日、東京ド)

 巨人・杉内俊哉投手(33)が、阪神打線を2安打に封じ、今季チーム初の完封勝利をマークした。六回には上本から三振を奪い、プロ野球22人目の通算2000奪三振を達成。1930回2/3での到達はプロ野球史上最速となった。阪神戦は通算12勝目。虎キラーが、勢いに乗っていた阪神の連勝を8で止めた。

 勝利の瞬間、人なつっこい笑顔を爆発させた。虎キラーが宿敵の連勝を8で止める、今季チーム初の完封勝利。大歓声を浴びながらお立ち台に上がった巨人・杉内は「(いつも)完封を目指して投げてるので、達成できてうれしいです」と気持ちよさそうに汗をぬぐった。

 寄せ付けなかった。「(阪神打線が)調子がいいのは分かっていた。怖かったですよ」と振り返るが、初回を3人で片付け波に乗った。四回以降は安打すら許さず、左翼席を黙らせた。被安打はわずかに2。今季は7回が最長だったが「八回の3点が大きかった。(味方に)助けられて完封を狙った」と、最後までマウンドを譲らなかった。

 金字塔も打ち立てた。六回2死から上本を外角高めの139キロ直球で空振り三振に仕留めた。この三振で2000奪三振となった。1930回2/3での達成は、石井一久の1967回2/3を大幅に上回る史上最速の快挙となった。「(上本の三振は)イメージ通り。チームに感謝したい」と素直に喜んだ。

 奪三振は投手にとっての華。それでも「3000奪三振を狙うか」と問われると「それだったら200勝したいですよ」笑う。三振を狙う意味を「前に飛んだら何が起こるか分からないし、手っ取り早いですよね。追い込んだら狙いますよ」と、こだわりをチラリとのぞかせた。

 左腕の躍動でチームは前半戦の首位ターンを決めた。原監督は「全てが良かった。若返ってきているという感じがします」と絶賛した。今季阪神戦3試合目の登板で初勝利を挙げ、カード通算は12勝目。「これからも2度、3度と(完封を)続けていきたい」と力を込めた。偉大な記録とともに、虎キラーが立ちはだかった。

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