ソフトB松中 代打の代打で復活適時打
「日本ハム2‐4ソフトバンク」(12日、札幌ド)
全盛期をほうふつとさせる打球だった。甲高い打球音を残した白球は、強烈なライナーとなって右前で弾んだ。「結果が求められていた。いきなり出てよかった」。この日、出場選手登録されたばかりのソフトバンク・松中が、貴重な適時打を放った。
勝ち越しに成功した七回。なお1死三塁で鶴岡の代打の代打で登場。「2カ月間、しっかりファームで練習した。自信持って打席に立てた」。真っ黒に日焼けした顔つきはだてじゃない。谷元が投じた初球。145キロの直球を完璧にはじき返した。昨年4月6日の日本ハム戦(札幌ドーム)以来462日ぶりの適時打で、チームを今季最多の貯金17、首位キープへ導いた。
12月で41歳。もちろんチーム最年長だ。2004年には史上7人目の三冠王に輝いたが、ここ数年は故障と不振が重なり、かつての打撃は見られない。今季も開幕から代打要員で控えたが12打数1安打と振るわず。交流戦直前に無念の2軍落ちを言い渡された。
「代打は一発勝負。ファームでは初球から振れるフォームを見つけようとやってきた」。この日、背筋を伸ばして打席に立った。2軍では24度あった第1打席に11安打5四死球。自信を深めたフォームで初球を狙い打った。「年齢とともに打ち方も変えないと」。新たなスタイルで、もう一度輝きを取り戻す。