中畑De5連勝!プロ新19残塁も10得点
「広島7‐10DeNA」(15日、マツダ)
疲れ切った表情のDeNA・中畑監督は「頭がクラクラするよ」とつぶやいた。2日間合計10時間と1分。この日は死闘を制して、12年9月29日以来の、そして中畑政権最長タイの5連勝だ。それでも「5連勝の余韻はないよ」。勝利の喜びはなかった。
苦しんだ。プロ野球新記録の19残塁。特に五回までに10安打し、6四球を得ながら、11残塁で3点しか奪えなかった。「打線がつながらず、苦しい試合。楽勝のイメージを苦しくしてしまった」と拙攻を猛省した。
勝利に導いたのは4番筒香のバットだった。三回に2試合連続となる右越え13号2ラン。七回には左越えソロ。5戦連続マルチ安打で5連勝を支えた。「チームの雰囲気はいい。あす、もう1つ勝って後半戦に弾みをつけたい」と頼もしかった。
中畑監督も「左右に打ち分けた、この球場でのホームラン。相手に脅威になる。成長しているね」と評価する。ブランコ不在の暫定4番から、真の4番へ。覚醒しつつある姿は、大きな収穫だった。
不安材料は投手陣にも出た。雨天中断を境に猛追を受けた。九回は抑えの三上が4安打を浴びて降板。「じっくり練り直さないといけない」。勝ちパターン変更も示唆した。
「勝ってかぶとの緒を締めろ、だな」。喜びのない勝利が後半戦の糧になる。