2発の“アジャ”ロッテ井上がMVP
「フレッシュオールスター、全イ7‐6全ウ」(17日、長崎)
心地よい打球音で、試合と、MVPを決めた。ロッテのアジャこと、イースタン選抜・井上が八回無死から決勝の本塁打。この日2本目となる一発は、左中間席上段で一度跳ねて、場外に消える推定135メートルの特大弾。「狙って打った。快感に浸っていて、打球は見てないです」と興奮の表情で振り返った。
先制パンチは初回2死二塁から、中越えに2ラン。「飛んでった~という感じ」。「弟」とかわいがる4番の山川も一発を放っており、八回の2本目が2人の“勝敗”を分けた。「あれは完璧でした」。手にした賞金100万円。「貯蓄です」と言って笑わせた。
開幕4番を務めたが、2割台前半と不振に陥り、5月上旬に2軍落ち。本塁打も1本のみと、プロの壁にぶち当たった。だが前半戦終了後に見せた、強烈な弾道。「これをきっかけにどんどんアピールしたい」。確かな手応えをつかんだ。
115キロの井上。優秀選手に選ばれた105キロの山川と「1軍で打ち合いたい」と誓い合った。このヘビー級コンビが近い将来、球界を騒がせる可能性は十分だ。