東海大甲府、恩師・原貢氏に捧ぐ逆転V
「高校野球・山梨大会決勝、東海大甲府9‐8日本航空」(21日、YBS)
東海大甲府の村中秀人監督(55)は、試合後のインタビューで目にうっすらと涙をためた。「こんな勝ち方は初めて。良く粘ってくれた」。残り2回で5点差をひっくり返す大逆転勝ち。奇跡的な勝利で2年ぶり12度目の甲子園出場を手にし、亡き恩師を思い浮かべた。
東海大相模時代の恩師である原貢さんが5月29日に78歳で亡くなった。村中監督は投手として、貢さんの息子で巨人の原辰徳監督らと75年センバツ準優勝はじめ、夏3度、春1度甲子園に出場している。「天国から(貢さんが)後押ししてくださったかな」と目頭を押さえた。
村中監督は、14日に開かれた貢さんのお別れ会に出席できなかった。すると、巨人の原監督から1通のメールが届いた。「甲子園に行ってもらって、おやじに花を添えてくれ‐」。逆境の時、心の支えになったという。そして、数日中に墓前に足を運ぶ。「これでいい報告ができます」。約束を果たした指揮官は柔らかな笑みを浮かべて言った。